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| パリの北60Km、シャルル・ド・ゴール空港からわずか20分の距離に位置するラレー城は、もともとフランス貴族の狩猟城としてその歴史は13世紀にさかのぼり、幾多の貴族の所有を経て、現在の形態をなしたのは17世紀です。 |
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| 城壁について |
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1600年当時の図面は、現在ゴルフコースとして使われている一帯を庭園に、そして庭園の先には狩場の森を配した設計でした。この周辺に出没する群盗や狼の群れから城と庭を守る為に堀や城壁をめぐらし、所々に監視塔が設けられました。現在ゴルフコースの所々に見られる城壁と監視塔、ゲート前のお堀はその当時の名残を留めています。
ラレー城の庭園側(18番ホール側)に面した壁面には、ルイ14世軍の北征に従って戦った“セダンの戦い”であげた武功に因んだものと思われる、ルイ14世像と勲章が彫刻されています。
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| 彫刻の城壁について |
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左右に18のアーケードを配し、そのあいだ、あいだに窪みをうがって、ギリシャ神話の神々や帝政ローマ期、アンリ4世時代の名士の像を納め、上部に合計38体の猟犬と鹿と猪の像を載せたこの彫刻城壁はフランスの城郭史上でも希有の存在とされ、1924年、フランス国重要文化財に指定されています。
追い詰められて、すでに観念したようにひざを折る鹿、逆に最後の抵抗を試みようとしてか牙をむき、背を怒らせる猪。けたたましい吠声が聞こえてくるような、そしてまさに獲物に飛び掛らんと身構えた猟犬の姿、そのいずれもが、今にも動き出しそうに見えるほど、見事に表現されています。
彫刻自体の様式は古代ローマのスタイルを踏襲したもので、フランスでは、16〜17世紀に盛んに用いられた様式です。 |
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| メインダイニング・天井について |
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中世の農村家屋において用いられた建築方法です。当時の貧しい農家では、天井を漆喰で塗り固めるだけのゆとりがなく、梁をむき出しにするのが一般的でした。この田舎作りの天井が貴族や富豪の間で大流行し、漆喰の天井にわざわざ後から木の梁を貼り付けたりしていましたが、ラレー城はそれと異なり、当初から作られたオリジナルで、またこれほど見事に着彩されたものは希であることから、1984年、フランス国重要文化財の指定を受けています。
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| 赤門について |
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昔は庭園から狩猟場へ抜ける通用門として使用されていました。門の扉が赤く塗られていた為に、この別名が付いたと思われますが、本来の名前は、扉の上部に彫刻された月と狩猟の女神、ダイアナ像に由来します。さらにその上には、想像上の動物、一角獣(リコルン・英名ユニコーン)が猟犬を伴って配され、門全体が非常に幻想的、かつ神話的なモチーフによって装飾されています。
英国王室の紋章にも現れる一角獣は、古代神話では大変な猛獣といわれていますが、処女に抱かれるとおとなしくなって眠ってしまうと伝えられています。中世では一角獣のモチーフが盛んに使われていましたが、それは多分にキリスト教的教義を反映した、暗示的な体裁に仕立てられています。一角獣はキリストを表し、その角は神の子を象徴、それとともに描かれる処女は聖母マリアを意味します。が、何故この門に一角獣とダイアナが組み合わされたのかは定かでなく、私達の限りない想像力をかきたてずにはおきません。
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| ダイアナの門をくぐる度に、狩人たちは決して人間の手にかかることがなかったといわれる一角獣を求めて、あるいは狩人自身の平安を求めて森へ入っていったことでしょう。この門が当時の狩人達の、何らかの精神性を反映して作られた事だけは確かです。現代作家のジャン・コクトーもまた、こうした不思議なバロックの世界、特に幻想的な彫刻の城壁とダイアナの門の魅力にとりつかれた人間の一人でした。 |
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